不顕性率50%の驚異、「症状がないからノロウイルスにかかってない」は危険

ノロウイルス対策の手洗い


これから冬になり、ノロウイルスが流行する季節になります。食事や衛生(手洗いなど)に気をつけて、感染を予防したいところですが、ここでは、ノロウイルスの不顕性感染について解説したいと思います。

ノロウイルスの不顕性感染。不顕性率50%の驚異

ノロウイルスにかかれば、下痢や嘔吐などの症状がなにかしらある、とみなさんお考えと思います。

でもそれは間違いです。

実は2〜3人に1人は、ノロウイルスに感染しても症状がでません

具体的には、30〜50%、2〜3人に1人はノロにかかっても症状が全くでません。
 
出典:「ノロウイルスによる食中毒について」 食衛誌Vol.46, No.6, p235-(出典部分:p237)、
「ノロウイルス感染症:最近の研究の展開」モダンメディア 第50巻、6号、p133-(出典部分:p139)

ノロウイルスに感染し、体内でノロウイルスが増殖しているのに、症状が全くでないことを、不顕性感染と呼びます。そのような状態の人を不顕性感染者と呼びます。

この現象は、学校給食の調理従事者や介護施設の職員、保育士などにとくに恐れられている現象です。

もし、調理師や介護士、保育士、看護師がこの不顕性感染になると、知らないうちに仕事を介して多くの人にノロウイルスを広げてしまう可能性があるからです。

不顕性感染が原因と思われる集団食中毒事例

2006年12月、秋田県の8小中学校にまたがり、ノロウイルスの集団食中毒が発生しました。
学校給食が原因で、366名発症しました。

そのときの調査では、残っていたパンそのものからはウイルスは検出されませんでしたが、製パン業者の従業員6人を検便検査したところ、1人からノロウイルスが検出されました。その従業員は自社製造のパンを食べておらず、ノロの症状はありませんでしたが、遺伝子解析の結果、発症者と従業員から検出されたノロウイルスの遺伝子パターン(SSCPパターン)が一致しました。

また、手袋などをつけずに素手で加熱製造後のパンの詰め替えを行っていたため、パンに付着したノロウイルスによる食中毒であったと考えられました。
 
出典:国立感染症研究所 感染症情報センター IASRより(http://idsc.nih.go.jp/iasr/28/326/pr3253.html)

「症状がないからノロウイルスにかかってない」は危険!

これは別のデータですが、症状がない不顕性感染者でも、便1gあたり10億個以上のノロウイルスを排出していることも珍しくないようです。

従って、調理者などは普段から手袋、マスクを着用し、トイレ後、調理復帰前の手洗いを徹底して、感染防止に努める必要があります。また、10月から4月までは定期的にノロウイルス遺伝子検査も対策効果が高いでしょう。実際に定期検査を取り入れる施設は増えています。

出典:「ノロウイルスによる食中毒について」食衛誌46. 6, p235-, 出典箇所p238

不顕性感染者のまとめ

下痢、嘔吐など症状があれば、当然周りに広げないように気をつけますが、症状が出なければ感染を広げないための対策が手薄になりがちです。

みなさん、不顕性感染という落とし穴に注意して、ノロウイルスを広めない意識を持ちましょう。

ノロウイルスの検査

ノロウイルスの検査は簡易検査(イムノクロマト)と遺伝子検査があります。以下のノロウイルスの解説記事にも検査について詳しく書いてあるのでご参考ください(公式ページへジャンプします)。

【医師監修】激しい嘔吐・下痢を引き起こすノロウイルスの潜伏期間、症状、予防、消毒、検査方法について


監修:和田 凰義(臨床検査技師)、上條 壽一(内科医、上條医院)

最近チェックした商品

最近チェックした商品はまだありません。